動画で見て、その場で買う。TikTok Shopで売れるクリエイティブのつくり方

TikTok Shopは、ショート動画やライブ配信を見て、その場でアプリ内で購入まで完結できる新しいEC機能です。売上の7割以上がコンテンツを起点にしているため、勝敗を分けるのは出品作業ではなく、動画クリエイティブそのものです。TikTok Shopで売れる動画の型と、量産の体制づくりがそのまま成果に直結します。
- TikTok Shopは日本で2025年6月30日に提供開始。発見から購入までをアプリ内で完結する
- 流通総額の70%以上がショート動画やライブ配信などのコンテンツ起点
- 利用者は18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割と、幅広い世代に届く
- 売れる動画は商品説明から入らない。好奇心を引くフックと自分ごと化がカギ
- 勝ちクリエイティブを見つけ、量産できる体制が成果を分ける
こんにちは。UGC Makerを運営する株式会社リスポの黍田です。
今回は、いまEC業界で最も注目されている販売チャネルのひとつ、TikTok Shopについてお話しさせていただきます。ショート動画やライブ配信を見て、気になったその瞬間に、アプリから離れることなく購入まで完結できる。この新しい買い物のかたちが、EC事業者のクリエイティブの考え方を大きく変えようとしています。
これまでの連載でお伝えしてきたのは、広告で興味を持ってもらい、別のサイトやページへ誘導して購入につなげる、という流れが前提の話でした。ところがTikTok Shopでは、動画そのものが売り場になります。見ることと買うことの距離が、限りなくゼロに近づいたのです。
本記事では、TikTok Shopがどんな仕組みで、なぜクリエイティブがすべてを決めるのかをデータで確認したうえで、売れる動画のつくり方、ライブやアフィリエイトの使い分け、そして量産の体制づくりまでを、定性・定量の両面で具体的にご紹介します。
TikTok Shopとは何か。「探して買う」から「見て買う」へ
TikTok Shopは、ショート動画、ライブ配信、商品ショーケース、ショップタブ、アフィリエイトを通じて、商品の発見から購入までをTikTokアプリ内でつなぐEC機能です。日本では2025年6月30日に提供が始まりました。TikTokはこれを、発見から購入までをアプリ内で完結する「ディスカバリーEコマース」と表現しています。
従来のECモールは、欲しいものが決まっている人が、検索して、比べて、買う場所でした。いわば「探して買う」の世界です。これに対してTikTok Shopは、とくに何かを買うつもりもなく動画を眺めていた人が、流れてきたコンテンツに心を動かされ、そのまま買ってしまう。「見て買う」の世界です。この違いが、事業者に求められるものを根本から変えます。
成長のスピードも際立っています。日本ではローンチからわずか3か月で流通総額が推計約30億円に達し、半年で累計約155億円を突破、提供開始から1年で約500億円規模へ成長すると見られています。世界に目を向ければ、2025年の流通総額は約643億ドル、日本円にして約9.6兆円と前年からほぼ倍増し、2026年にはさらに1,122億ドルを超える見込みです。

誤解されがちですが、TikTok Shopは若者だけの場ではありません。日本の利用者は18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割を占め、月間アクティブユーザーは約4,200万人にのぼります。対象カテゴリーも、食品、ファッション、美容、家電、ホームリビングなどへ広がっており、幅広い世代に商品を届けられる販売チャネルへと育っています。
4つの購入導線と3つの関わり方
TikTok Shopを理解するうえで、まず押さえておきたいのが、購入までの導線と、事業者としての関わり方です。導線には大きく4つのかたちがあります。

中心になるのが、ショート動画に商品リンクを埋め込む「ショッパブル動画」です。おすすめフィードに流れてくる動画のなかで、視聴者が「これ欲しい」と感じたその瞬間に、動画内のリンクをタップして購入まで進めます。次に「ライブ配信」は、配信画面に購入ボタンや商品リストを表示し、視聴者がコメントで質問しながらリアルタイムで買い物ができる導線です。さらに、プロフィールに常設される商品一覧の「ショーケース」があり、動画がバズっていない平時でも、指名検索やプロフィール経由で安定して商品を見てもらえます。そしてアプリ内の商品一覧である「ショップタブ」から探して買う導線も用意されています。
事業者としての関わり方は、大きく3つです。ひとつ目は、自社で出店して直接販売する「セラー」としての関わり方。ふたつ目は、クリエイターに成果報酬で商品を紹介してもらう「アフィリエイト」。そして三つ目が、自社や外部の演者がライブ配信で販売する「ライブコマース」です。これらは排他的なものではなく、組み合わせて使うのが一般的です。自社で動画を出して認知をつくりつつ、クリエイターにも広めてもらい、ここぞという場面でライブを打つ、といった具合です。
なぜ「クリエイティブ」がすべてを決めるのか
ここが今回いちばんお伝えしたい点です。TikTok Shopは、出店すれば売れる場所ではありません。従来のECモールなら、検索対策や広告出稿である程度の露出を買えました。しかしTikTok Shopの主戦場は、あくまでおすすめフィードに流れる動画です。面白くない動画、欲しくならない動画は、そもそも見てもらえず、当然売れません。
それを裏づけるのが、この数字です。TikTok Shopの流通総額のうち、70%以上がショート動画やライブ配信といったコンテンツを起点とした購入だとされています。検索やタブから探して買うのではなく、コンテンツに動かされて買う。これがTikTok Shopの購買の実像です。

つまり、TikTok Shopで成果を出せるかどうかは、動画クリエイティブの質と量にほぼ集約されます。現場の実感としても、出店しただけで放置されているショップはまず売れません。まず自社アカウントで動画を投稿し、商品の認知をつくることが先決です。そして、勝てるクリエイティブが見つからないうちに広告をいくら回しても、効果は出ません。「どんな動画なら売れるか」を先に探り当てることが、すべての出発点になります。
この構造は、アフィリエイトにも影響します。クリエイターは、売れる見込みのない商品を紹介したがりません。誰にも知られていない商品に、いきなりクリエイターが集まることはないのです。まず自社で売れる動画の型をつくり、実際に売れる実績を見せてはじめて、クリエイターも動いてくれる。ここでも、起点になるのはクリエイティブです。
TikTok Shopで売れる動画のつくり方
では、TikTok Shopで売れる動画とは、具体的にどんなものなのでしょうか。第4回でお伝えしたフックや、第10回でお伝えした訴求の考え方が、ここで大いに効いてきます。そのうえで、TikTok Shopならではのポイントを整理します。
商品説明から入らない。これが最大のコツです。売りたい商品の説明からいきなり始めると、広告だと見抜かれて飛ばされます。おすすめしたいのは、まず「なにこれ」という好奇心を作ってから商品を登場させる構成です。たとえば割れない鏡を売りたいなら、まず別の鏡を思い切り割るシーンから始める。靴用のクリーナーを売りたいなら、まず靴を汚すところから見せる。意外な入りで指を止めさせてから、解決策として商品を差し出すのです。
作り込むより、自分ごとにさせる。TikTok Shopで伸びる動画は、ブランドの世界観をきれいに見せるものより、演者自身が感じた商品の良さを、生活者目線で語るものが大半です。視聴者が「自分が使っている姿」を思い浮かべられるかどうかが分かれ目になります。第2回でお伝えしたUGC、つまり生活者目線のリアルな見せ方が、ここでも力を発揮します。
実演とビフォーアフターで、その場で納得させる。買うまでの距離が近いぶん、視聴者は動画のなかで「本当に良いのか」を判断します。使っている様子をそのまま見せる実演や、使う前と後の変化を見せるビフォーアフターは、短い時間で納得を生む強力な型です。文章では伝わらない質感や効果を、数秒で直感的に伝えられます。
最後に、買う理由と手順を示す。動画の終盤では、いま買う理由をはっきり示します。限定の特典や、動画から買えるという案内を添え、リンクをタップすれば買えることを分かりやすく伝えます。買い方に迷わせないことも、その場の勢いを逃さないために大切です。
そして忘れてはならないのが、TikTok Shopでも動画広告の基本は変わらないということです。冒頭数秒のフック、音声オフでも伝わる字幕、画面下部のUIを避けたセーフゾーンへの配置。第7回でお伝えしたこれらの土台は、TikTok Shopの動画でもそのまま守るべき前提になります。
ライブとアフィリエイトをどう使い分けるか
ショッパブル動画に加えて、ライブ配信とアフィリエイトも、TikTok Shopでは強力な武器になります。それぞれの性格を理解して使い分けると、打ち手が一気に広がります。
ライブ配信の強みは、リアルタイムのやり取りが生む信頼と熱量です。視聴者はコメントで質問でき、演者がその場で答えながら実演する。この双方向のコミュニケーションが、テキストや録画動画では届かない安心感を生みます。イギリスや東南アジアでは、数秒に1点のペースで売れる大ヒット配信も生まれています。セールやイベントと組み合わせ、ここぞという場面で集中的に売る使い方が向いています。
アフィリエイトは、クリエイターの発信力とコンテンツ制作力を借りられる仕組みです。成果報酬なので、売れた分だけ費用が発生する点は魅力ですが、注意も必要です。クリエイターは売れる見込みのある商品しか扱いたがらないため、まず自社で売れる実績と型をつくっておくことが前提になります。また、クリエイターに動いてもらうには、TikTok Shop限定の割引など、視聴者に伝わりやすいメリットを用意すると効果的です。クリエイターが自由に考えた企画は、ときにブランドの想定と違うこともありますが、それも生活者目線のUGCとして受け入れる度量が、結果的に売上につながります。
勝負を分けるのは「量産」と「ストック」
TikTok Shopで成果を出し続けるうえで、最後の、そして最大の論点が量産です。おすすめフィードでどの動画が伸びるかは、事前には読み切れません。だからこそ、数多く投稿し、当たりを見つけ、それを磨いていく。この試行回数そのものが、成果を左右します。数本の動画で当てようとするのではなく、たくさん打って勝ち筋を探す発想が欠かせません。
見逃せないのが、ショート動画が「ストック型の資産」になるという点です。投稿した動画は、その日バズらなくても消えてなくなるわけではありません。ショーケースやプロフィールに残り、後から検索やおすすめ経由で視聴され、売上を生み続けます。良い動画を積み上げるほど、平時の売上を支える資産が厚くなっていくのです。だからこそ、単発で力尽きるのではなく、継続的に本数を出せる体制が重要になります。
とはいえ、TikTok Shopに合った縦型のショート動画を、毎日のように大量に作り続けるのは、決して簡単ではありません。企画、撮影、演者の手配、編集を人手だけで回そうとすると、あっという間に息切れします。第3回でお伝えした内製化や、第6回でお伝えした生成AIの活用が、ここで効いてきます。量産を回せる仕組みを持てるかどうかが、TikTok Shopで勝ち残れるかどうかの分かれ目になります。
始め方と、気をつけたいこと
最後に、実務的な始め方と注意点を簡単にまとめます。出店の手順は、セラーセンターへの登録、本人確認の審査、商品の登録、アカウントの連携、という流れです。出店料や月額費用は無料で、始めるハードルそのものは高くありません。
費用面で押さえておきたいのが販売手数料です。日本版では当初一律7%(新規出店者には当初3%の優遇)でしたが、2026年5月11日から商品カテゴリー別の手数料体系へ移行しています。カテゴリーによって率が変わるため、出店前にセラーセンターで最新の値を必ず確認してください。
クリエイティブ面では、これまでの連載でお伝えしてきた法令の順守が、ここでも欠かせません。とくにTikTok Shopは購入までの距離が近いぶん、勢いのある訴求になりがちですが、化粧品や健康食品での効果の断定は薬機法に、根拠のない「No.1」や実際と異なる価格の見せ方は景品表示法に、そして対価を伴う投稿で広告であることを隠せばステマ規制に触れます。クリエイターに紹介してもらう場合も、広告であることの明示は必要です。勢いと誠実さの両立が、長く売れ続けるための条件になります。
商材の向き不向きもあります。コスメやアパレル、ガジェット、食品のような、動画で魅力が伝わりやすい「映える」商材は、とりわけ相性が良好です。自社の商品が動画で見せやすいかどうかを、参入前に一度考えてみるとよいでしょう。
最後に
今回は、TikTok Shopで売れるクリエイティブのつくり方についてお伝えしました。TikTok Shopは、動画そのものが売り場になる「見て買う」の世界です。売上の7割以上がコンテンツ起点である以上、勝敗を分けるのは出品作業ではなく、動画の質と量にほかなりません。売れる型を見つけ、それを量産し、ストックとして積み上げていく。この一連の流れをどう回すかが問われています。
とはいえ、TikTok Shopに合った縦型のショート動画を、勝ち筋が見つかるまで数多く作り、当たったら量産し続けるのは、相応の制作体力を必要とします。可能性は分かっていても、動画が作りきれずに立ち止まってしまう。ここが多くの事業者様の壁になっています。
弊社では、レビューやInstagram、TikTokなどのUGCを活用し、TikTokにそのまま入稿できる縦型のショート動画を、素材の確保から制作・運用まで支援するUGC Makerを提供しています。TikTok Shopの動画を、現実的なコストと工数で数多く回したいという方のお役に立てるかもしれません。
よくある質問
TikTok Shopは若い人向けのチャネルですか?
いいえ。日本の利用者は18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割と、むしろ幅広い世代に届きます。食品や家電、ホームリビングなどカテゴリーも広がっており、若年層限定のチャネルではありません。
出店すれば売れますか?
出店だけでは売れません。流通総額の70%以上がコンテンツ起点であり、まず自社アカウントで動画を投稿して認知をつくることが先決です。勝てる動画が見つかる前に広告を回しても、効果は出にくいです。
どんな動画が売れますか?
商品説明から入らず、まず好奇心を引くフックで足を止めさせ、生活者目線で自分ごと化させる動画です。実演やビフォーアフターで、その場で納得させる構成が効きます。作り込んだCMより、リアルな見せ方が伸びやすい傾向があります。
アフィリエイトを使えば自社で動画を作らなくても大丈夫ですか?
難しいです。クリエイターは売れる見込みのある商品しか扱いたがらないため、まず自社で売れる型と実績をつくることが前提になります。そのうえで、限定割引などクリエイターが発信しやすいメリットを用意すると動いてもらいやすくなります。
TikTok Shopの動画を量産するには?
縦型ショート動画を継続的に大量制作できる体制が要ります。UGC Makerなら、TikTokにそのまま入稿できる動画を1日100本以上量産でき、勝ち筋を探して磨くサイクルを止めずに回せます。
TikTok Shopの動画量産なら、UGC Makerにおまかせください
TikTok Shopは、動画を数多く出して勝ち筋を見つけ、当たったら量産する世界です。その制作を人手だけで回すのは容易ではありません。そこを支えるのが、株式会社リスポが運営するAIクリエイティブプラットフォーム UGC Maker です。
商品情報を入力すれば、AIが好奇心を引くフックから訴求、CTAまで含めたスクリプトを自動生成。キャスト × スクリプト × フックの組み合わせで、TikTokに最適な縦型ショート動画を1本あたり約5,000円から、1日100本以上量産できます。撮影・キャスティング・編集はいっさい不要で、生成した動画はTikTokにそのまま入稿可能。TikTok Shopの起点になる「売れる動画」を、止まらず作り続けられます。
TikTok Shopに本気で取り組みたい、まず動画の量産体制をつくりたいという方は、導入相談・資料ダウンロードからお気軽にどうぞ。貴社専用のデモ動画も無料で作成しています。
- メディアレーダー TikTok Shopとは 日本版の出店条件・手数料・始め方(GMVの70%以上がコンテンツ起点・年齢構成)|リンク
- コムニコ TikTok Shopとは 始め方・使い方(2025年6月30日提供開始・ディスカバリーEコマース)|リンク
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2001年生まれ、鹿児島県出身。高校卒業後、海外へ。帰国後は慶應義塾大学に入学。スタートアップでデザイナー・新規事業開発を担い、グラフィックデザインからWeb・UI/UXまで幅広く手がけながら、クライアント開拓営業やマーケティングにも従事。その後、2つの事業を立ち上げ、大学在学中の2021年5月に株式会社リスポを創業。これまでのデザイン経験を基に、動画生成AIとLLMを統合した独自のクリエイティブエンジンと制作ワークフローを開発し、AIクリエイティブプラットフォームUGC Makerをローンチ。